真梨幸子(お腹いっぱいで、しばらくいいかも…)
最近ハマって、たてつづけに4冊読みました。
この人の本を「ホラー」に属していいのか迷うところですが、たしかに10人ぐらいは普通に殺されるし、バラバラ殺人だし、暴力描写きついし…でも、一番怖いのは「女」のいやらしいところをこれでもかと描くところ。「イヤミス」*と言われるだけあります。*読んだ後にイヤな気分になるミステリーの略
男性は読まない方がいいかも…というか、読んでてうんざりしてくるはず。まして女性に免疫のない、理想をえがいている男性が読みますと、確実に自我が崩壊します。
いろんな意味で刺激が強くて、疲れる読書なんですけど、どうしてもページをめくる手を止めることができなくて一気読みです。それは保障します。小さな伏線ははりめぐらされてるんですけど、ラストまで行かないと気づくことはできないと思います(私はそうでした)。
デビュー作。主人公の主婦が関係した男性が謎の奇病で死んでいく。気持ち悪い描写満載で、ホラー色強め。逆にミステリー部分は弱いかな…
話題になった作品。家族惨殺事件で唯一生き残った11歳の少女が、希代の殺人鬼になっていく過程が描かれています。が、その裏に大きな伏線が敷かれていて、見事に騙されました。これ、映像化はおそらく無理でしょう。
前作のフジコのいとこにあたる下田健太が連続監禁致死事件で逮捕されるも、無罪放免。母親茂子にインタビューする機会を得たフリージャーナリストと雑誌記者。健太は果たして本当に無罪なのか…前作「殺人鬼フジコの衝動」を読んでから読むべし。あいかわらず人物関係が複雑で悩みます。で、またも見事に騙された。そうきたか、という感じです。
これが読みたくて図書館に予約を入れたら半年以上待たされました。さすが「王様のブランチ」(ブックコーナー)。これが初の真梨作品だったわけですが、面白かった。某新聞に載っている「人生相談」風にある人物の相談が冒頭にきて、中央は相談者らしき人物が登場する話、最後に相談に対する回答で締めくくられます。そんな連作短編が続くんですけど、読み進むにつれて、他の短編で出てきた人物が意外な形で出てきたりと、例のごとく、最後の短編で今までの謎が収束するところは見事です。が、とにかく人物関係が複雑。加えて時系列も入り組んでいるため、何度も前に戻って読みなおしたり。読み終わっても消化しきれないところがあったので、思わず人物相関図を書いてしまいました(笑。…と思ったらネットで同じことしている人がいたりして。
そんなにねちっこい内容ではないので、上記3作より読みやすかったです。もちろんミステリとしても上等だと思います。
…でも、もうしばらくはお腹いっぱいって感じ。保険金…またか、バラバラ…またか…ってところもあるので。でもきっとまた手にしたら読んでしまうんだろうなぁ…ジャック・ケッチャムと似てますね。ケッチャム好きな人にはオススメ。