Il tuo vizio è una stanza chiusa e solo io ne ho la chiave (1972年 イタリア)
例によってまた70年代ジャーロです。英語視聴オンリーなので、内容はかなり怪しくなります(笑、あしからず。ついでにネタバレ全開です。
この画からグロいのを期待するかもしれませんが……
題名は「お前の悪徳は閉じられた部屋で、私だけがその鍵を持っている」という意味。小説家のオリヴィエーロは名家の末裔らしく、壁にかかった絵のモデルである母の自慢をタラタラ…それを苦々しい表情で聞いている妻イレーナ。地元の若者たちを呼んで乱痴気騒ぎ(?)をしていたが、彼らの酒を大きな器にまとめ、それをいきなりイレーナに無理やり飲ませようとします。オリヴィエーロは普段から嗜虐的な性格のようですが、酒が入るとさらにひどくなるよう…。召使のブレンダも半ば妾みたいに扱われてます。
オリヴィエーロ イレーナ
この映画、どうやら有名なポーの『黒猫』をモチーフにしているらしいのですが…原作のようなホラーテイストは感じなかったです。たしかにオリヴィエーロは黒猫サタナを飼ってます。肖像画も黒猫を抱いていて、イレーナにとってはサタナは義母の化身のようなもので、自分に懐かないのもあって、異常なほど嫌っています。
第一の殺人。書店のアルバイトの女の子が殺されます。昼間、オリヴィエーロにモーションかけていたのを目撃されていたせいか、いきなり自宅に刑事がやってくる。とりあえずイレーナは一緒にいたと答えますが、寝ていたのでよくわからない。で、夫の車を調べたり…さっそく疑ってるやん(笑。
次に召使のブレンダが家の中で何者かに殺されます(腹を割かれて…ちょいグロ)。が、ただでさえ警察に疑われているオリヴィエーロは、イレーナを無理やり言い含め、遺体を地下室の壁に埋めてしまう。
そんな中、姪のフロリアーナがやってきます。なんと『美女連続殺人魔』のエドウィジュ・フェネシュではあ~りませんか! 髪をボブにしたり、ミニスカートをはいたり、「少女」を懸命に演出してますが…どうにも無理が(笑。
でもキレイなので許す。…というかフロリアーナ、その小悪魔的な魅力で、オリヴィエーロとイレーナの両方を虜にしていきます。あいからわずキレイな裸です。
一方、殺人者の魔の手は都会帰りの露出過度な女子のところへ…彼女の部屋、異常に人形が多い。コレクターか? その人形が落ちて笑うところとか妙なところで『サスペリア2』みたい…と思えば、こちらの方が先に撮られてますね。もとい、彼女は殺人者に殺されますが…ここで大変なことが起きます。なんと直後にやってきたお母さんに反撃され、殺人者、やられます(笑。お母さんのキャラは最初から強烈でしたが、最後の悲鳴も怖かった…
親娘揃って強烈
じつは殺人者の正体は最初に出てきた書店員さんだった。刑事の話によれば、どうやら異常な行為(?)で前科があったよう(すいません英語力ないので)。
とまぁ…連続殺人は一見解決したかのように思いますが、物語はまだまだ続きます(笑。フロリアーナによって夫婦の間に完全な亀裂が入り、夫に殺されるかもと疑心暗鬼のイレーナは…
やっちまいます~
オリヴィエーロを殺してしまう。その一部始終をフロリアーナも見ていて、遺体を一緒に地下室の壁の中に埋めてしまいます。不安なイレーナはフロリアーナに一緒にいてもらいたがりますが、何者かが「復讐」とたくさんタイプした紙を見て、フロリアーナはびびって去っていきます。
(*この後いよいよネタバレです)
「ああ、フロリアーナ!」と叫んだイレーナでしたが、彼女に背後から近づく謎の男が…。って、クリーニング屋さん? じゃなくて御用聞き? …とにかく、最初の方でたしかに出てきたよ、この人。
ま、ダンナよりかっこいい感じではあります
もしかして……全てはこの愛人と結託して考えた計画だったようです(笑。おそらくはブレンダを殺したのもこの男?(まあイレーナかも)いや、もうそんなことどうでもいい(笑。ようするに異常者の連続殺人と、夫を殺そうとする妻と愛人の話が同時進行していたんですよ。見ている方をかく乱させるための構成なんでしょうけど…
で、さらにフロリアーナも彼氏とバイクで逃走中に油をまかれてスリップ→看板に激突→火を投げ入れられ炎上…と悲惨な最期を遂げます。
死体になってもキレイです…
愛人にフロリアーナを殺させた後、イレーナはさらに愛人を崖から突き落とし…一人ほくそ笑みます。もう誰も私の邪魔をする人はいないわ! 遺産は全部私のもの~オッホッホ!(←なんてセリフはなかったと思いますが)
ところが…最後の最後に、刑事がやってきます。くず鉄拾いのおばあさん…最初の方で出てくるんですが、この人が何か気になったらしく、警察に吹き込んだようです。たしかにケンカばっかしている夫婦だし、最近ダンナの姿見えないし…ちょっくら様子見てみようかってな感じ(?)で、やってきたのかな。イレーナはひとまずお酒で、刑事さんたちを歓待(って車で来てるのに…いいのか、警察が飲酒運転)。ダンナは仕事で外国へ行ってますのよ~オッホッホ(←なんてセリフはありません)…などとごまかしていましたが、そこへ猫の鳴き声が!
ニャーニャー…と声のする方へ導かれ、地下室へと降りていく刑事たち。壁を叩き壊してみたならば…オリヴィエーロの遺体とサタナの姿が!
最後のここだけは『黒猫』っぽい。細かいツッコミを入れたくなるところは、ジャーロらしいジャーロでしたね。とにかくエドウィジュ・フェネシュの小悪魔っぷりを見るだけでも価値アリです。