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Horror好きが行く!

怖いもの好きが書く映画・本・もろもろの記録

妄想代理人(2004年 全13話)

曲がった金属バットを持ち金色のローラーブレードをはいた少年バット。少年はさまざまな人の前に現れ、追いつめられている彼らを救うためにバットを振るう… 

そんなにアニメには詳しくないので、この作品を見たのもパーフェクト・ブルー今敏が監督したから…という理由ではなく、単に内容が面白そうだったので。『パーフェクト~』と同じく、アニメの自由さを最大限利用し現実と妄想の境を作り上げている

 

第1話「少年バット参上」

人気キャラクター マロミを生みだした鷺月子。次のヒット作を求められるも、プレッシャーに押しつぶされそうだった。そんなある夜、バットを持った少年に襲われる…

月子は始終出てくるわけではないが、この作品の主役というか重要人物である。月子につきまとっていた週刊誌ルポライター川津も少年バットに襲われる。

第2話「金の靴」

小学生鯛良優一学校一の人気者だったが、少年バットに似ていると噂されてからは一転イジメの対象に。次第に追いつめられ、どんくさい転校生牛山を逆恨みしていたが、目の前で彼が少年バットに襲われ…

第3話「ダブルリップ」

優一の家庭教師であり、大学の研究室で助手を務める蝶野晴美と奔放なホテトル嬢まりあじつはまりあは晴美のもう一つの人格だった。上司の秋彦からのプロポーズを受けいれた晴美をまりあは許さなかった…

第4話「男道」

派出所の警官蛭川雅美。妻や娘のためにマイホームを手に入れるが、その資金暴力団へ情報を流した見返りによるもの。そのことが暴力団幹部の真壁にばれ、逆に金を脅し取られ覆面を被り路上強盗を繰り返すはめに

蛭川が好きな任侠漫画(?)「男道」が蛭川の現実にうまく差し挟まれ話はヒサンなのにちょっと笑ってしまう。 

第5話「聖戦士」

蛭川が捕まえた少年バット狐塚誠中学生だった。聴取する猪狩刑事馬庭刑事。狐塚は自分を聖戦士と名乗り使命により魔物を倒してきたと語りはじめる

本気で現実と妄想の区別がついていない狐塚。彼の妄想に乗って話を聞く若者馬庭とあくまで現実を突きつけようとするベテラン猪狩の対比が面白い。

第6話「直撃の不安」

台風直撃の最中、さまよい歩く少女妙子は蛭川の娘。父を尊敬し大好きだった過去を思い返すが

いや、これは娘壊れるでしょう。ついでにマイホームも

第7話「MHz」

馬庭刑事は無線マニアらしい。すいません、ここの話はいまいち記憶にない…

第8話「明るい家族計画」

自殺志願者サイトで知り合った三人。死に場所を求めてさまよい歩くが、なかなかうまくいかない。旅館でひと息ついていると、少年バットがあらわれ…

死のうとしてるのに妙にコミカルな三人サイトの常連に狐塚がいたこともわかる

第9話

「IQ」「LDK」「EBM」「OH」「HR」「TKO」「UMA」「SOS」「HH」「ETC」

団地の主婦たちが少年バットに関連した噂話に花を咲かせる。小話が何個もあり、途中画のタッチも変わったり、面白い。主婦たちの一人、鴨原の夫は次の10話で製作しているアニメの脚本家 

第10話「マロミまどろみ」

マロミのアニメが製作されている会社が舞台タイトなスケジュールの中、監督・脚本家・演出家らが次々と少年バットの犠牲となり

個人的にはこの回が一番面白かった。能力もないのに自信過剰な製作進行の猿田のキャラがスゴイ。「おれは悪くない」が口癖。こういう子に育てないよう気をつけないとと思った。

(以下ネタバレ

 

 

 

 

第11話「進入禁止」

猪狩の妻美佐江が登場。病弱で、医者から手術を勧められているが、夫が少年バットの事件が元で職を解かれ、現在は警備員のバイトをしているため、負担をかけまいと黙っている。一方猪狩は何かを振り切るように建設現場を次々移動し、仕事に励む…

美佐江は少年バットに唯一やられなかった人物。つらい境遇にもかかわらず、現実から逃げようとしなかったから?…と思ったら、夫の猪狩から見た美佐江が語られてビックリした

第12話「レーダーマン」

狐塚の自殺の責任を追及され、猪狩とともにクビになった馬庭。以来、眼鏡にマント姿で、得意の無線を駆使し、少年バットの情報を集めている。謎の老人や現場近辺に住むオタク亀井の作ったフィギュアからヒントをもらい、鷺月子の過去を知るため彼女の実家で父親と会う

じつは鷺月子は10年前に金属バットを持った少年に襲われている。というのは彼女の狂言で、愛犬マロミの散歩中、目を離したすきにマロミは車にひき逃げされ死んでしまった。父親に言い出せず、その時月子の自己防衛本能が生みだした空想の産物が少年バットの正体だった父親はウソに気づいていたが、男親一人で厳しく育ててきたため、月子が萎縮する性格になったと後悔し、あえてウソにつきあっていた)。 

第13話「最終回。」

現実の世界で人々の鬱屈を糧に巨大化していく少年バット馬庭は月子が事実を受け入れてもらうことが、少年バットを倒す方法だと考え、彼女にコンタクトを取ろうとするが

月子はマロミに導かれ猪狩のいる昭和レトロの世界へ逃げ込む。しばらく二人でのんびり街を散策するが、そこへ美佐江が現れる。現実の世界で美佐江は倒れ、手術を受けていた。死ぬことはわかっていて、最後に夫に感謝の言葉を告げたかったのだ美佐江によって現実に引き戻された猪狩と月子巨大化した少年バットはマロミと合体し、黒い煙のようなものになり、建物を破壊し人々を飲み込んでいく。月子たちも飲み込まれ、月子は10年前の自分を見る少年バットは自分が生みだしたものだったことを受け入れた瞬間少年の影は「さようなら」と告げ、消えた

2年後、破壊された街もようやく復興(暑さと人混みに人々がイライラしている様子が第1話と同じ)。月子は普通のOLに…ほかの被害者たちも日常を取り戻していた馬庭だけが、総白髪となり、序盤で出てきていた謎の老人みたいになってしまった

 

妄想場面が最初悪夢みたいだと思ったけれど、終わってみれば現実に起こったことの方がより厳しいものばかりだった。だから登場人物たちは妄想に逃げ込んだ。彼らが欲したから少年バットは実体を持ちはじめた…と。

はじめて知ったけど、今監督は2010年に癌のため46歳で亡くなってたんですね。 

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