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悪霊病棟(2013年 全10話)

古い病院に次々起こる怪奇現象。それは彼女が赴任してきてからはじまった……。B級らしさ満載のホラードラマ。意外と丁寧な作りなので、話はわかりやすいです。 

悪霊病棟 DVD-BOX

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主人公は看護師の尾神琉奈夏帆)。中の人は美人な女優さんですが、琉奈のビジュアルはいただけない。眼鏡に猫背でオドオドした態度。地元の病院からこちらへ職場を変えたようです。その理由が…子供の頃から幽霊を見てしまうことが多く周囲に気味悪がられてしまったから。父親はそんな彼女を病気だとして、また琉奈もそう思い込んでいて、2年ほど心療内科に通院していたこともあるよう。

…とまぁ、ワケありな主人公ですが転職先の隈川病院も思いっきりワケありです旧病棟なる建物は現在使われていませんが、備品やカルテなどはまだそこに置いてあって、わりと頻繁に取りに行かされる看護師さんたち。幽霊が出る噂もあり、みんな嫌がります。新しい職場で役に立ちたい琉奈は自分が行くと申し出る。電気が通ってない真っ暗な中、懐中電灯の明かりだけで、棟内を探索。そのとき、彼女の名を呼ぶ声が聞こえて……

(以下ネタバレ

 

 

 

 

 

ぶっちゃけてしまうと、病院はある女に呪われていたのです。昔、この病院を創設したのはじつは隈川信兵衛ではなく、宮守元吉という人物。診療所時代、弟子である隈川が病に倒れた元吉から奪い取ったのだった。それを恨んだ元吉の妻キヌが、当時土地で流行っていた謎の奇病「黒い歯の呪い」におかされ、末代まで隈川家を呪ってやると死んでいった

信兵衛の息子で院長の圭太は、そのキヌの呪いをかつて霊媒師が自らの命と引き換えに旧病棟の最上階に封じ込めたのを知っていた。今回、キヌの怨霊は強力な霊能力を持ちながら、精神的に不安定な琉奈を利用し封印を解かせたのだった。だが、強い霊能者だった亡き母(三輪ひとみ)の霊に守られていた琉奈に取り憑くことができず、代わりに後からやってきた看護師彩香に憑いたのである

かつて病院の怪異を写真に収めた写真家琉奈の親友などが命を落とすも、はじめは琉奈に疑惑の目が向けられていた。が、じつはそうなるよう仕向けていたのは彩香(に取り憑いたキヌ)だった。やがて病院にふたたび「黒い歯の呪い」が蔓延しパニック状態に。そこへ現れたのは…父に母が能力者だったことを聞かされ、自身もその力に目覚めた琉奈だった琉奈はその力で次々と呪われた人々を浄化していくちなみに「黒い歯の呪い」とは、歯が真っ黒になり、牙が生えてきて、凶暴になり、人に噛みつく。噛みつかれた人も同様の状態になってしまう伝染病。

琉奈はキヌと対決するため、圭太の息子朝陽とともに旧病棟の最上階へ向かう。朝陽を助けようとして、琉奈はキヌに噛みつかれてしまうが、そこへ母の霊があらわれキヌをまた封じ込めてくれた…という感じです(私の解釈が間違ってる?)。

隈川病院に完全な平和がおとずれた。もう琉奈も自らの力を怖がることはなく、使命を受け入れた…おしまい。

 

とにかく親切丁寧で、話も何度もプレイバックするので、B級ホラーにありがちな混乱はないです。まぁ、このテのものを見慣れている人には物足りない内容かもしれません。むしろ初心者向けかも。ホラー苦手な人でも大丈夫。ちなみに琉奈の父を嶋田久作、母を三輪ひとみが演じてた……ってそれが一番ホラーだった(今回は普通の人の役だけど)。

「黒い歯の呪い」は完全に語られていないのが気になるところお化け屋敷プロデューサー五味弘文さんの原案が元になっているみたいです。 

憑き歯 ~密七号の家~ (幻冬舎文庫)

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