日本の怖い短編小説5
いろいろ考えすぎて…なかなか書けませんでした。ほかにも紹介したい作品ありますが、とりあえず5作品。
①「長い暗い冬」曽野綾子
その筋(?)では有名な作品。たしかにゾッとするオチでした。異国の地で暮らす父と幼い息子。重く垂れ込める空、凍てつく道…題名通り寒い雪国の描写が、妻を亡くした主人公の心と重なります。そして母の死により突然外国で暮らすことになった息子にとっても…ラスト、主人公の友人の言葉で今まで見ていた景色が一変します。
②「保護鳥」小松左京
仕事で外国に出張している日本人が主人公。村人たちによって大切に保護されているという謎の鳥「アルプ」。その鳥をどうしても見たくなった主人公は村に滞在することにしますが…『くだんのはは』も相当に怖いのですが、こちらも是非。
③「車影」小池真理子
主人公の女性の人生に時折現れる謎の黒いタクシー。それに乗った祖母や友人はそのまま失踪してしまった。初めて黒いタクシーに乗った彼女は、ふいに不気味な符合に気づき…
④「お母さまのロシアのスープ」萩原浩
第二次大戦直後の満州。山奥に暮らすロシア人の母娘。姉妹はあまり家の外に出してもらえず、わずかに訪ねてくる他人にも姿を見せてはいけないと言われていて…二段階で驚かせてくれる話。
⑤「ジャニーヌ殺害事件」遠藤周作
名作『海と毒薬』もズッシリきますが、短編も面白いです。フランスのリヨンを舞台に文字通りジャニーヌという女の子が殺されてしまうのですが…これ以外の作品も女性の怖さがうまく描かれているものばかり。
この記事を書いてて、また阿刀田高とか筒井康隆とか読みたくなってきた…悲しいほど忘れっぽいなぁ…いっぱい読んだはずなんだけど。