ファントム・オブ・パラダイス(1974年 アメリカ)
ヤバイ、すごく面白かった! ①ミュージカルが好き ②70年代ロックが好き ③70年代ファッションが好き …な人には特にオススメ。私は①②③全部当てはまってた(笑。
話をざっくり言ってしまうと、ロックミュージカル版『オペラ座の怪人(+『ファウスト』も?)』である。
一世を風靡しながらも表舞台から姿を消したミュージシャン スワン。現在は『デス・レコード』の社長として、新人発掘にいそしむ日々。自らプロデュースした劇場「ファントム」の杮落としとなるミュージシャンをオーディションで探していると、ウィンスローの姿に目がとまる。ただし、欲しかったのは彼の楽曲だけ。
デビューをもちかけられ、楽曲を全て渡すも、無しのつぶて。ウィンスローはスワンに会おうとして、乗り込んだ女性コーラスのオーディション会場で、運命の女性フェニックスに出会います。フェニックスを演じるのはジェシカ・ハーパー。この作品を見て、アルジェントが『サスペリア』のヒロインに抜擢したんですよね~。
この後、ウィンスローの末路はこちらの予想通り、スピーディに転がっていきます。無実の罪で投獄 ⇒ 声を奪われる ⇒ 脱獄し、レコード会社を襲撃するもプレス機に顔を挟まれ、半分つぶれてしまう。おまけに警官に撃たれ、河へドボン。
ところがどっこい生きてたウィンスロー、ファントム劇場にやってくると、仮面と衣装を身にまとい、スワンのプロデュースしているバンドを舞台ごと爆破(笑。その姿に恐れおののいたスワン…ではなかった! なんとウィンスローに一緒に組まないかと持ちかける。ウィンスローも純粋(というかバカ?)なので、スワンにとことん騙されているのも知らず、分厚い契約書に血判までしてしまいます。フェニックスに歌わせるというスワンの言葉を信じきり、スタジオにこもって、大作を仕上げるウィンスローなのです。
ファントム劇場杮落としの初日、書き上げた楽譜を奪ったスワンはスタジオごとウィンスローを閉じ込め、楽曲はオカマミュージシャンのビーフに歌わせることに。騙されたことに気づいたウィンスロー、怒りの叫び声とともに塗りこめられた壁を突き破って脱出(笑。 公演真っ只中のビーフは、ウィンスローの攻撃を受け、燃え上がる…すべてを演出と受け取って盛り上がる観客がクレイジー(笑。途中を引き継ぎ、フェニックスが歌い出すとまたも盛り上がる観客。全く曲調変わってるんですけど…
一転、スターとなったフェニックス。が、裏を知らない彼女はスワンに身も心もまかせ…その様子を頭上から悲しく見つめるウィンスロー。絶望し、自ら胸にナイフを突き立てるが…(面白いと思うので今回はネタバレなし)
マモーのモデルとされる(?)スワン
とにかくハチャメチャの力技な展開なんですけど、短い(92分)のでテンポよく、笑いながら見れてしまいます。間違っても本家本元の典雅なオペラ座を期待して見てはいけません(笑。出てくるキャラクターもいろんなもののパロディだったりして、わかる人には笑えるし、わからなくても面白い。
全くポリシーの無いジューシー・フルーツの面々
歌い方がロバート・プラントっぽいビーフ
そして『デス・レコード』社屋のカッコよさよ!
ロゴ 受付♪
いきなりですが、今まで見たデ・パルマ作品のベスト1に輝いちゃいましたよ!