ボーグマン(2013年 オランダ他)
ん~、これはホラーなの? 異星人侵略物か?と思わせといて…特に正体みたいなのも現すことなく…同じ人間かもしれない。ただ思想が違うだけで。なんつ~か、好き嫌い分かれる映画ですね。途中で眠くなりました…私。
まず地下にモグラのように暮らしている男たちが、何やら地上の数人の男たち(中には神父さんもいる)に追われている。銃を持っている。しかし、追われてた男たちは飄々とその森から逃亡。連中の一人、カミエル・ボーグマンはどうやらその集団(?)のリーダーのようです。裕福な住宅街を「風呂を貸してほしい」と訪ね歩き、ある素敵な家で、ダンナのリシャルトはボーグマンをフルボッコにしますが、奥さんマリナは富裕層としての罪の意識があるらしく、ダンナに隠れて風呂に入れたり、食事を与えてあげます。ところがボーグマンはそれを感謝するどころか、気がつくと勝手に家の中に入り込み、子供たちに妙な話を語り聞かせたり、仲間と頻繁に連絡を取っていくのです…。
人は何人も殺されますが、グロさもなく、なんか、仕事をこなすように淡々と遺体の処理をするボーグマンの仲間たち。そこにスリルも恐怖もないし(私には感じなかった)。…私なりに解釈するならば「庇を貸して母屋を取られる」系の話。ヒュー・ウォルポールの『銀の仮面』や安部公房の戯曲『友達』的な不気味さはたしかにあります。
ここまで読んで興味を持った方は見て下さい程度のオススメ度です。ただし、あっけにとられる終わり方なので文句言わないでくださいね~。
- 作者: ヒュー・シーモアウォルポール,Hugh Seymour Walpole,倉阪鬼一郎
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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関係ないけど夜毎なぜか真っ裸でマリナの上に乗っかってるボーグマンが、ハインリッヒ・フュースリの有名な絵画『夢魔』を思い出させて、そこは怖かったですね(確かにマリナはその時恐ろしい夢を見ている)。