イット・フォローズ(2014年 アメリカ)
満を持し(by妖怪ウォッチ)、ようやく見れたよ! 性行為によって”それ”は移る。”それ”は何処に逃げても必ず追ってくる。”それ”に捕まったら必ず死ぬ。”それ”から逃れるには、誰かと性行為をして”それ”を移すしかない…ドン詰まりの青春?
主人公ジェイはボーイフレンドとエッチして、まどろんでいたら、突然彼氏のヒューにクロロフォルムを嗅がされ、気絶。目覚めると、車椅子に縛り付けられて、上記の「お約束」を説明されたのだ。
で警察沙汰にはなりますが、ヒューは偽名だったし、ジェイも合意の上でエッチしたもので、性病を移されたわけでもないし、ま~かわいそうにねって親とか友人に言われるくらい。ただヒューの言う通り、マッ裸の女性がゆっくり歩いてこちらへ近づいてくるのを見たのはたしかだった。
学校に復帰した授業中、ふと窓の外を見たジェイは学校の中庭を病衣姿のおばあちゃんがこちらへ歩いてくるのを見かけ、思わず教室を出る。廊下で談笑する女子二人は脇を通り過ぎる変な婆さんの存在には全く気づいていない様子。私にだけ見えてるの?
妹ケリー、幼馴染ポールとヤラ、隣人グレッグ(同級生っぽい)の協力を得て、ジェイはヒューの正体を探り当て、彼の家を訪ねるが……
(以下ネタバレも含めた感想)
…とまあ、そんなお約束事ホラー(んなジャンルあり?)なんですが、正直、お約束あんまり関係ないようです。だってジェフ(ヒューの本名)もジェイに移した後も”それ”が見えるみたいだし。ジェイも一度グレッグとセックスしたんだけど、その後、グレッグ家に入っていく”それ”を見てますしね。
”それ”に捕まったグレッグの最期を目の前で見たジェイは、友人らと郊外の市民プールに”それ”を誘い込み、感電死させようと計画。その辺りはそれなりにハラハラしますが……でもって”それ”がどんな姿をしてるのか言えないジェイもかわいそうになりますが(←お父ちゃん)、なんと物理攻撃が効くんだよね(まあすぐに復帰するけど)、西洋的だな~(笑。
”それ”はいろんな姿をしてやってくるし、どうしてどのように始まったのかとか判明しないのも不気味。とにかく”それ”の人々が一目見てヤバイってのと、その辺の通行人と変わらないのもあったり…は怖いですね。
あと舞台がデトロイトっていうのがいい。ジェイたちの住んでいるのは一応キレイな郊外の住宅街なんだけど、ちょっと車で先へ行くと、寂れて廃墟と化した街があったり。いかにも田舎って感じのグレッグの別荘とか、海岸も海水浴場って感じじゃなくて…うまく言えないけど、ジェイの追いつめれられ感とシンクロしている気がした。
ラスト、ジェイはポールに”それ”を移した後、手をつないで歩く。二人の遠く後ろを歩いてくる”それ”? 通行人かもしれないし…その「わからなさ」がこの映画最大の恐怖かもしれない。はっきりしないのが嫌なタイプの人には勧められない作品ですね~。