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影なき淫獣(1973年 イタリア)

 

影なき淫獣 完全版 -デジタル・リマスター版- [DVD]

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 <ストーリー>

ジェーンは、ペルージャで美術を学ぶアメリカ人留学生。彼女の平和な学生生活は、血生臭い連続女学生殺人の影に覆われる。被害者の死体は、いずれも無残に切り裂かれていた。第二の被害者の首に巻きついていたマフラーは、加害者が絞殺に用いた凶器とされた。ジェーンの級友ダニエラは、それがしつこく言い寄ってくる男子学生の物にそっくりだと気づくが、犯人から口止めの電話を受ける。身の危険を感じたダニエラは、叔父の勧めに従い、同級生の女学生2人と共に田舎町の別荘へ避難し、ジェーンも遅れて3人に落ち合う。だが、ジェーンは着いて早々、階段から転落し右足を負傷してしまう。その夜、2階の個室で1人先に休んだ彼女には、階下でくつろぐダニエラら3人に訪れた惨事を知る由もない。翌日、目覚めたジェーンが見たのは、殺人鬼が友人達の死体をノコギリで切り刻む光景だった。(日本伊製恐怖映画hpより引用)

 

ずっと見てみたかったジャーロの名作(?)。が、しかし、のっけから裸の女の子2人のからみ…一人で見ることをオススメします(笑。べつにポルノってほどじゃないんですけど…全編女性の裸が出てきますので。しばしばホラー扱いされる本作ですが、現代のホラーに比べたら、殺害描写もチャチなものですのでご安心を。

 

上記ストーリーですが、ほとんど後半の話です。前半に2人の学生が殺され、ダニエラに言い寄っていたステファノや、2人目の被害者キャロルと口論になっていたダニエラの叔父いやらしい目つきの行商の男…とあやしい人物が次々登場。さらには、ダニエラたち3人が別荘へ向かう途中の列車で出会う医師ロベルトも。ロベルトはなかなかにハンサムなので、犯人であってほしくないな~と思いつつ見ておりました。

 

殺人鬼の正体ですが…ものすごく意外な人物であることはたしか。でもこの設定ならば、誰が犯人でもおかしくないかな…だって、後から「こんなトラウマがあって」って子供の頃のこと説明されても…ね。殺人鬼のトラウマの一端となった人形の映像が随所にはさまれるのは不気味でよかった。淫乱な女性に欲情しても、自分はトラウマのせいで(?)関係を持てない。それは異常な憎悪となって、彼女たちに向けられた…そんなところでしょうか。

 

女子としては、主人公たちの着こなす70年代のファッションやイタリアの古風な住宅やインテリア…などが見ていて楽しかった。もちろんあんなド派手な服は着られませんけど、女優さんたちみんなステキでした。

 

ぎりぎりまで、犯人は顔を見せません。この作品見た方は途中で犯人がわかりましたか? 私はわかりませんでした。実際、わかったところで「伏線なかったよね?」と言いたいですまあ、それが、ジャーロ。大好きなダリオ・アルジェントの映画でもままあることです。あとは『血みどろの入江』と『四匹の蝿』が見たいな~ 

 

ジャーロgiallo)…イタリア語の本来の意味は「黄色」。イタリアでメジャーな探偵小説の出版社が出す本の表紙が黄色だったことから。推理物、探偵物の映画および小説のことをいう。