サスペリア(1977年 イタリア)
ホラー好きなら一度は見てほしい作品。とはいえ、話はツッコミどころ満載で、真面目に筋を追っていると怒り出してしまいそうな(?)ラストである。とにかく極彩色の美しい悪夢の世界を楽しみましょう(笑。
イマジカBSにて放送してたのを見ました。DVD持ってるんですけど(笑、さすがのイマジカ、キレイな画質でした。話については数多の方が書かれていると思うので、お気に入りの場面(インテリア?)についてのみ、書いていこうと思います。
アメリカ人スージー・バニヨンはドイツにあるバレエの名門校へやってくる。しょっぱなから不安げな表情が上手いジェシカ・ハーパー。
どしゃ降りの雨の中、学校に着くが…スージーのことなど何も聞いてないと、中に入れてくれない。それにしても赤い壁ですよ。まず、この外観にやられます。
スージーと入れ違いに学校を出て行った何やら取り乱した美少女はパット。ずぶぬれのまま、友人の家へやってきます。この友人の家(マンション?)が外観から想像もつかないほどモダンでファッショナブル。
友人の部屋もステキなピンク(右)。ここに住みたい!って私だけ?が、しかし、すぐにパットは何者かに襲われ、心臓をメッタ突きされる(心臓刺されてるのに即死しない…とツッコミたくなる)。
マンションの玄関ホールの天井にはまったステンドグラスが割れて落ちてきたのは…うまいことパットの首に縄がかかり、首吊り状態に。下に居た友人も巻き込まれてヒサンな最期。
仕方なくホテルに泊まったスージーが翌朝あらためて学校を訪ねると、教師のタナーが出迎え、副校長のブランク夫人を紹介する。校長は旅行中である。ここで、盲目のピアノ伴奏者ダニエル、ブランク夫人の甥アルベルト、タナーにこきつかわれてる苦学生、不気味な下男パブロなど主要人物登場。ブランク夫人はパットの事件のことで警察に対応している。
…にしても学校の玄関ホール(左)メチャメチャ豪華でしょ。真っ青な壁。対して、スージーがとりあえず世話になる学校外のオルガの家(右)。なんてド派手。でもちゃんと家具とかと調和とれてるんだよね。
その後、食堂のオババに妙な魔法をかけられたのか、気分が悪くなって倒れてしまうスージー。寮に入るのを嫌がっていた彼女は自動的に部屋をあてがわれてしまう。天井から蛆虫が降ってきて大パニックになったり、急遽みんなで宿泊した稽古場で校長の不気味なシルエットを見てしまったり…仲良くなった隣室のサラとともに学校への疑念をつのらせていくスージー。
校長室(?)が不思議すぎます。ここは一体どこ?とにかく色鮮やかです。
アルベルトに盲導犬が噛みついたため、クビになってしまうダニエル。こんな忌まわしい場所、出て行けてせいせいする…と言ってたダニエルさん、だだっ広い( 広すぎる)広場で、自分の盲導犬に喉を喰いちぎられてしまうヒサンな最期。
一方、貧血で倒れて以来、赤ワインと流動食を食べさせられているスージーは夜になると眠くて起きていられない。せっかくサラが先生たちの秘密をつかみかけているのに。サラは相手に気づかれ、夜の学校を逃げ惑う。謎のワイヤー部屋(笑)で身動き取れなくなり、首をスッパリ切られてしまうヒサンな最期。
スージーが眼を覚ますと、サラの荷物がすっかりなくなっている。朝早く勝手に出て行ったとタナー。何か言いたげだけど言わない苦学生。いや、あきらかにおかしいでしょ、とスージーはサラから話を聞いていた主治医で親友のフランクに会いに行く。
(以下ネタバレ)
フランクの話によれば、1895年にあの学校を創立したヘレナ・マルコスが魔女であり、彼女の信奉者たちによってオカルトとバレエの学校が創られたが、数年後、火事になり、ヘレナも死んだ。その後は普通のバレエ学校になっている。魔女に詳しいミリウス教授から、魔女の集会は頭を失えば力を失くすとヒントをもらったスージー。
学校へ戻ると、彼女以外の生徒たちは皆、サーカスに行ってしまっていた。脅威を感じ、フランクに電話するが、回線が悪く通じない。
食事に睡眠薬が入っていると気づいたスージーは、それらをトイレに流す。サラが足音を数え、先生たちが家へ帰らずに向かっている場所を調べていたメモの存在を思い出し、メモの通りに歩いていくと…例の校長室へ着く。その時、スージーはようやくパットが嵐の中叫んでいた謎の言葉の意味に気づく。「扉の影にアイリスが3つ、青いのを回して」…言葉の通り青いアイリスを回すと、隠し扉が開く。中へ入っていくと、ブランク夫人をはじめ、学校関係者が集会の真っ最中。「アメリカ娘を殺してしまえ」と言っている。気づかれそうになって、隠れた場所にはサラの無残な遺体が!
集会の部屋へ行く途中の廊下も細かい呪文や草木模様が描かれ(左)、大変な懲りようです。そして逃げるように思わず入ってしまったのが、ヘレナの寝室(右)。この孔雀の置物を落としてしまうシーンはハッとしてしまう。
ヘレナをやっつけちゃえ、と孔雀の羽(ピンになっている)を手にするスージー。だが、姿が見えない。背後からナイフを持ったサラが迫る。が、一瞬の稲光で見えた影にピンを振り下ろすと、ヘレナの喉に見事ヒット。苦しみもだえ、ヘレナが倒れたとたん、集会してた皆さんも苦しみたおれ、学校はバキバキ崩れはじめる。慌てて脱出するスージー。またも雨でずぶぬれですが、すっきり晴れやかな笑顔。学校はボーボー炎をあげて、燃え落ちていきます…
…全部書いちゃってますね(笑。だいぶ端折ってはいるけど。長年邪魔者は魔力でやっつけてきた彼らが、なぜにスージー一人にやられちゃうのか…とか、いろいろ不自然を感じてしまいますが、この色彩感覚にとにかくやられて、結局見てしまいます。