サスペリアPART2(1975年 イタリア)
霊能力者が殺されるのを目撃してしまったピアニストのマーク。現場で何かを見落としたような気がしてならない。女性記者ジャンナと共に事件を追うが、次第に犯人に命を狙われ…ご存知だと思いますが『サスペリア』とは何の関係もない話(こちらの方が先に製作された)。
どうだろう?みなさん、ホラー好きな人は見ているのだろうか?見てない人のためになるべく簡潔に書いてみようと思います。まず、以前にも書きましたが、オープニングが秀逸。途中差し込まれる子供の歌と惨劇を思わせる悲鳴。もう掴みはOKです。
子供の足元に飛んできた血まみれのナイフ!
主人公はアメリカ人作曲家マーク。敏腕(?)記者ジャンナと共に事件を追います。
欧州超心霊学会主催のヘルガ・ウルマンの講演。彼女はテレパシストで、人の心を読み、過去や未来がわかるというスゴイ人です。その講演中、ヘルガは突然恐れおののきます。観客の中に恐ろしい殺人者がいると。子供の歌が聞こえる…と(オープニングのアレですね!)。ざわめく会場。その中を誰かが立ち上がって、立ち去って行く。この辺りのサスペンスの盛り上げ方!犯人らしき視点で画面が進むのも怖いです。
この会場がまたゴシックな感じで素敵なのだ
夜、マークが友人カルロと話していると、突然悲鳴が響き渡る。この場面で出てくるバーがアメリカの画家エドワード・ホッパーの『ナイトホークス』を参考にしたことは有名。
クリソツ
そう、ヘルガの家では彼女が謎の殺人者に襲われていたのです。現場に駆けつけるマーク。しかし犯人は立ち去り、ヘルガはこと切れていた。
ジャンナの記事や報道でマークは犯人に顔を知られてしまった…というのもありますが、何か最初に自分が大事なことを見落としたような気がしてならない彼は、ジャンナと共に犯人探しをすることに。このジャンナとのやりとりが微笑ましいかウザイかは人によりますが、個人的にはジャンナのオンボロ愛車フィアットがお気に入り。
なぜマークの座高が異常に低いのかは本編で
マークたちはヘルガの友人で研究者のジョルダーニらとともに子供の歌から探ってみます。誰も住んでいないはずの古い屋敷から子供の歌が聞こえてくる…現代の都市伝説を書いた著者アマンダの家を訪ねたマークですが、時すでに遅し。残酷にも溺死させられた後でした。
現場に指紋を残して立ち去ってしまったことから、警察に追われるはめになったマーク。こうなったら先に真犯人を探さねばと、アマンダの著書にあった写真をもとに例のお屋敷を探し回って、見つけます。
これまたボロイけど雰囲気たっぷりなお屋敷なのだ
マークは屋敷を探索し、壁に塗りこめられていた子供が描いたような恐ろしい殺人の絵を見つけます。やはり子供が鍵なのか、電話でジョルダーニとやりとりした後、ジョルダーニは何者かに惨殺されてしまいます。
この人形が登場する場面はトラウマ級の怖さかと…
マークは本から切り取ってきた屋敷の写真と実際の屋敷との違いに気づきます。部屋が塗りこめられていたのです。そこを叩き割って開けて見ると…ミイラ化した遺体が!
直後誰かに殴られ、気づいた時にはジャンナが抱きかかえてくれていた。彼女が探しに来た時にはマークが倒れており、火が近くまで迫っていたと。 遺体は屋敷とともに燃えてしまった。近くの不動産屋から連絡していると、不動産屋の娘が描いた絵が屋敷で見た不気味な絵にそっくりなのに気づくマーク。娘に聞くと、学校で資料室の掃除をしていて、その絵を見つけたという。娘の学校レオナルド・ダヴィンチ校に忍び込み、絵を探すマークとジャンナ。夜中の静まり返った学校になぜか物音が…
子供の絵にしては恐ろしすぎます…
好きな人(見ている人)は知ってるので、ここまでに。あとは本編で~。
それにしても、話だけ書けば、ただの連続殺人事件なのです。それがなぜホラーになるのか。それは(他所でも書かれてますが)無駄に残酷な殺害方法。必ず二段階で殺してます。
ヘルガ ナタで何度も斬りつけ⇒ 窓ガラスに叩きつける
アマンダ 洗面台に叩きつけられ⇒ 熱湯風呂に頭を突っ込まれ溺死
ジョルダーニ 家具の角に口を何度もぶつけられ⇒ 首をナイフでグッサリ
犯人も「そこまでするか~?」というほどヒサンな死を遂げます。それは本編で。
▲すいません、これ、軽くネタバレか?
とにかく、ダリオ・アルジェントの最高傑作をご覧あれ。結局この作品に呪縛されて(?)、これを超えるものが作れなくなってしまったの…ね。