殺しのドレス(1980年 アメリカ)
ハラハラドキドキさせるのが本当に上手い、ブライアン・デ・パルマ監督の傑作。あらためて見ると、いろいろ細かい演出がスゴイ。
夫マイクとの性生活に不満を抱えているケイトは、精神分析医エリオットのカウンセリングを受けた帰りに立ち寄った美術館で男と出会い情事に及ぶが、何者かに殺害されてしまう。それを偶然にも目撃してしまった娼婦リズは、ケイトの息子ピーターと協力して事件の謎を追うことになる。(Wikiより引用)
とりあえず、エロティック抜きでは語れない話なので、ある程度大人になってから見た方がよろしいですね。ところどころ、ヒッチコック(敬愛しているのは有名)みたいな場面がアリアリですが(剃刀の使い方とかね…)、ただの二番煎じではありません。怖いですよ、エレベーターでの殺害場面とか。
前に見た時はリズに近い歳。今回ケイトに近い歳となった私は、序盤のケイトが殺されるまでの描写に釘付けだった。昔はリズ役のナンシー・アレンに感情移入してハラハラドキドキしたものだけど、ケイトの(歳の割には)美しいけれども確実に歳をとっていく、夫にも一方的なセックスしかしてもらえない。自分が女として相手にされなくなっているのを意識する、その後の美術館での追いかけっこ…アンジー・ディッキンソン、文字通り身体を張った名演技だなと思いました。素敵なラブ・アフェアかと思ってたのに…相手が性病だったって診断書を発見した後、エレベーターの中で涙目になっているところとか。一緒に乗り合わせた幼い女の子にジッと見られて、怯える顔とか。何もしゃべってないのに気持ちが伝わってくる。
あと、ナンシーの息子ピーターもいいキャラしてた。機械いじりの好きなオタク少年なんだけど、それを生かして活躍。性的な関係抜きでリズとタッグを組み、母親を殺した犯人を捜します(ラストの様子だとリズに筆おろししてもらった感じだけど)。
犯人は意外…でもなんでもないかもね、今どき見ると。もうヒッチコックの名前出した時点でわかってしまった人もいる? でもわかってても見てほしい。サスペンスの盛り上げ方。映画を作りたいと思っている人は必須ですよ(言われなくても見てるか)。