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オフィス 檻の中の群狼(2015年 韓国)

ブラック企業で追いつめられた課長が家族を殺し行方不明に。捜査のため、社員たちに聞き込みをする刑事は皆が何かを隠しているのを感じるが――う~ん、察しのいい人でなくても途中で気づいてしまうかもしれませぬ(笑)。 

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日本でもブラック企業に働く方々が疲弊しているのを聞きますが、韓国はさらに上を行く学歴社会。ソウルで正社員で働くというのは大変なことのようです

キム課長、元気の無い様子で家に帰ってきますが、和やかな団欒の後、いきなり家族を金鎚でメッタ打ち。逃亡したのか行方知れず。

動揺する社員の元へ警察が聞き込みにやってきます。社員は皆キム課長を悪く言う人はいません。他の社員と比べて昇進は遅れていたけれど、真面目でいい人だと。

一方、インターン契約社員みたいなものかな?)ミレ刑事に呼ばれる前に同僚に釘を刺される。「あのことは黙っておけ。会社にいたければ」という感じ。

ミレは大人しく、仕事で成果も出せないのか、なかなか正社員になれない。そんな彼女に唯一優しくしてくれたのはキム課長だった。いなくなる直前のキム課長の不安定な様子を思い出すミレ。キム課長は取引先の自殺した社長からなぜか送られてきたという包丁をミレに見せる。「これに触れてると安心するんだ」と……

ネタバレってほどでもないけど以下ラストまで) 

 

 

 

すみません、モブの方々は名前覚えてないので適当に書きます(笑)。

キム課長の失踪後部長の腰巾着が殺される。事前にキム課長と遭遇している場面があります。いかにもキムが殺った感じで、スリードにもならないです

まあ見慣れてない人でもこのミレって子が精神的に追いつめられてて不安定なのはわかってきます。あらたに優秀なインターンの子が入ってきて、部長の机を確認したらば、彼女宛の採用通知を見てしまうし。そしてミレはキム課長が彼女の机の引き出しになぜか入れておいた例の包丁を握りしめる。そう、キム課長のように包丁に触ることで精神の安定を保とうと必死なのです。

一方、キム課長は家族を殺してから一度会社に戻っており、そこから出ていないことが判明。刑事は彼が会社に潜伏して腰巾着を殺したのかと推察。だがミレのことも疑っている様子(容疑者でもないのに家に入るのはどうだろうと思うが)。

急遽、部長に呼び出される形で夜のオフィスへ来た部下たち。しかし部長の姿はなく、ミレが尋常じゃない様子で仕事をしているだけだった。ミレは自分を見下し追いつめる同僚たちを次々と手にかけていく

刑事は会社の地下で自殺していたキム課長の遺体を発見キムは犯行の日解雇されていたことがわかる。つまりキムは家族を殺しただけで、その後の殺人は全てミレがやったというわけ。

ところが不思議なことに(笑)、同僚男子ともみ合っているうちに逆に殺されそうになったミレは刑事に救われる全ては頭を撃たれ、即死した同僚男子の犯行となってしまう。刑事に包丁のことを尋ねられたミレはちゃんと「自分のものだ」と答えたのに。警察もミレの会社と同じで、検挙率だ何だと追いつめられている感じでしたから(笑)、彼は上司にどう報告したのか。ラスト、駅のホームの場面がわかりませんね。あの後姿はミレなのか? ミレはまだあの会社に勤め続けているのか?

 

もう少し、丁寧に話が描かれていれば面白かったのに。ホラーというか、違う意味で怖い。ブラック企業の恐怖。表面的にはオシャレなオフィスで生き生き働いているように見える人たちも、毎日「成果を出せ」だの「無能」だの追いつめられていて。疲弊しているのはものすごく伝わってきた(笑)。