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海女の化物屋敷(1959年 日本)

モノクロです。思いのほかまともなスリラー。先の予想は簡単についてしまう内容ですが、楽しめました。菅原文太初主演作(?)。 

海女の化物屋敷 [DVD]

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まずオープニングがシュール。海女さんたちが銛を持ったり、籠を持ったり、はては骸骨を抱いてたり…の妙に色っぽいポーズで出てきます。なんかここだけ前衛芸術映画?…って感じ。この時代、こういうの流行ってたのかな。

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主人公の仁木恭子は親友青木由美に頼まれて、青磯海岸にある海女の集落を訪れる青木家は周辺の資産家だが、父親の自殺、母親は病死、兄が漁で死に、兄嫁は狂死、唯一の肉親である姉も数年前に家出したままというわけで、由美は孤独な身の上だった。さらに由美は兄嫁の亡霊らしきものに悩まされていた恭子は由美が兄嫁に逆恨みされていたことを苦に幻覚を見ているだけだと思ったが、実際に衰弱してきているため、しばらく青木家に滞在することに

恭子の恋人野々宮刑は、彼女からの手紙を読み、江戸川に揚がった女性の遺体を思い出す。由美が遭遇する幽霊は黒真珠を身につけていた遺体の胃から発見されたのも黒真珠。何かつながりを感じた彼は青磯海岸へ

兄嫁の妹で海女の加代、海草の研究と称し青木家へ身を寄せている水木教授、元々兄嫁の世話をしていたお手伝いさん、由美に魚場を譲渡するよう迫る近隣の網元……とにかく怪しい人物盛りだくさん(笑。

(以下ネタバレ

 

 

 

 

 

幽霊騒ぎは青木家の隠し財産を狙う水木の策略だった。さらに江戸川の遺体はキャバレーの女中だったが木村という恋人がいたことがわかっているそれが水木だった。キャバレーの女中じつは家出していた由美の姉である。浮気を見咎められたので、水木が思わず絞め殺してしまった。その際、姉の口に黒真珠が入ってしまったのだ(ちょっと…というか相当無理やりな展開ではありますが)。

水木は加代を抱きこみ子分の日比野とともに、海中に沈んでいると言われる青木家の財宝を手に入れようとしていたその在処を知っているのは由美のみ。だが、幽霊騒ぎの真相(お手伝いさんにやらせていた)を恭子に暴かれ、あせった彼らは、恭子を人質にし由美に財宝の居所へ案内させる

船上に日比野と残された恭子。海にもぐった加代と由美はともかく、なぜか恭子も下着姿(なかなかのナイスバディー)である。それを見て日比野はムラムラ(笑。襲いかかられ、絶体絶命。そこへ気が付くのが遅いぞの野々宮がやってきて助かります。恭子は由美がピンチであることを告げ、野々宮は水木たちを追う

海を潜った先の洞窟の中に、ご先祖の墓があり、亡骸と共に財宝が。見つけてウハウハ(笑)の水木。もう用は無いと由美を殺そうとする水木に加代が改心し立ち向かう。が、水中銃(銛が発射されるやつですね)を向けられなすすべもない由美と加代。ところが、なんと水木が自分で足をすべらせ、その拍子に銛が発射され自分に当たってしまう。地面に無残にも投げ出されてたご先祖の亡骸が、なんだか銃を撃ったような感じに手がそえられているところが味です。

全てが解決し、由美は財産を寄付することに。ただし、二人へのお礼と結婚の前祝と称し、恭子と野々宮には黒真珠を贈ったのだった(野々宮は職業柄お礼はもらってはいけないのでは…?)。

 

とにかく、海女さんたちのムッチムチな身体、海女ルックも面積ほとんどなく透け透けです。お父さん、大喜び(笑。肝心のホラーとしては全く怖くないんですけど普通のサスペンスとして面白く見ることができました