がい骨(1965年 イギリス)
う~ん、どうしても古臭さは否めないです。ピーター・カッシングとクリストファー・リーの競演が見ものの怪奇映画。内容はシンプルで邪悪ながい骨に魅入られた者が次々死んでいく…だけ。
最初に男が墓場から頭蓋骨を掘り出します。が、その男もすぐに謎の死を遂げる。
黒魔術などを研究している学者メイトランド(カッシング)が、妖しい骨董商マルコから有名なサド侯爵のものだという頭蓋骨を勧められます。1814年、サド侯爵が埋葬されてすぐに骨相学者ピエールが墓から盗んだもので、しかしすぐにピエールは死んでしまう。遺品の整理をしていた遺言管理人が、がい骨を見ると様子がおかしくなり、一緒にいたピエールの愛人を刺し殺してしまった…との逸話を聞き、興味をそそられたが、高額だったためメイトランドは躊躇する。
友人でライバルのオカルト蒐集家フィリップス卿(リー)は、メイトランドの話を聞くと、最初にがい骨を持っていたのは自分で、マルコが盗んだと言う。だが、盗まれてよかったと。なぜなら持っている間、がい骨の邪悪な力に魅入られそうになり、身の危険を感じていたからだった。悪いことは言わないから、あのがい骨は買わない方がいい…と。(どうでもいいかと思うが以下ネタバレ)
結局、メイトランドは何者かに殺されたマルコの部屋からがい骨を持ち帰ってしまう。その際、怪しまれた管理人を誤って殺してしまう。さらには友人フィリップス卿も。
事前にマルコから買っていたサド侯爵の研究本(表装が人皮だって言うけど…)と一緒にがい骨を並べてしまうメイトランド。…コレクターの悲しい性か。サド侯爵(もしくは悪魔?)の力に操られ、奥さんを殺しそうになっても…まだ捨てようとしない。ちょっとあきれます(笑。ラスト、家中ポルターガイスト現象でにぎやかなのにスヤスヤ眠っている奥さん、いいですね(笑。明け方、メイトランドはマルコと同じく(たぶんがい骨に)喉笛を噛み切られている無惨な姿を発見される。おしまい。
唯一印象に残ったのが、開始30分後くらいのメイトランドの夢の描写。紅く塗りこめられた部屋のところどころからガスのようなものが噴出し、壁が両側から迫ってくる。…あそこだけ異様な感じがすごくよかったなぁ。