ヒッチハイク(1977年 イタリア)
勝手にレイプリベンジ物かと勘違いしてました。ま、たしかにヒロインが途中、レイプされる場面はあるんですけど、それ以前にまぁ…意外にいろいろ考えさせられてしまう映画だったのは私だけ?(笑。
たしかにコリンヌ・クレリー熱演のイブはやたら色っぽいです。酒びたりの夫ウォルターとキャンピングカーで旅行中。ウォルターは何かって~と、彼女の身体を触りますが…まぁ、露出激しいですから。そんな一方的なセックスしかしてこない夫をイブは軽蔑してます。三流ゴシップ誌の記者とか言うしね。…結婚9年かぁ、たしかにそんなにラブラブ旅行にはならないか。
とにかくその道中、青年アダムを乗せますが、ところがヤツは逃亡中の強盗犯だった。カバンには200万ドル入ってます。アダムは正体がばれると、残忍な性格を顕にし、夫婦をネチネチいびりながら、国境まで車を走らせるよう迫るのです。アダムがウォルターに自分の自伝を書けと、冗談とも本気ともつかないことを言うのですが、ウォルターはどうせロクな両親じゃないだろうと考えていると、意外にも真面目な善人だったりする(アダムがウソをついてなければ。まぁ両親のことを小バカにしたように話すところを見ると本当かなと)。同情を誘える境遇でなくて残念だな~ぐらいの話し方で、途中警官に尋問されると、さっさと撃ち殺します。後に追ってきた強盗仲間への仕打ちを見ても、とにかく異常なやつです。
で、とうとう、縛り上げられたウォルターの目の前で、アダムはイブを犯す…というけど、途中で夫を冷たく見つめていたイブがやがて目をそらし、行為に没頭していく様子がいやらしいというより冷たい画面です。キャンピングカーへ連れ込んでの第二ラウンド。アダムの目が離れた隙にウォルターは手の縛りを解くことに成功するんですが、早々に出てきたので、足は縛られたまま。申し訳ないが奥さんを連れていくから、あんたは用済みだと殺されそうになるウォルター。が、突然胸を撃ち抜かれ、息絶えるアダム。背後には全裸で銃を向けているイブの姿(ジャケ絵の場面ですね)が……
その後、なんとまだ話が続きます(笑。でも二人の間はあきらかに何かが変わってしまった。そして手元には200万ドルの現金が……なんというか、納得いかない後味悪しなラストなんですが、最後生き残った意外な人物の心境を考えると、わからないでもないと思ってしまうのが、前半ネチネチ描かれた夫婦の関係もあるからかなと。説得力があるんですわ(むかつく展開なんですけどね)。
つ~か、ヒッピーがやたらいたりとか、ラブ&ピースの時代なんですかね。そのわりにはやたらヴァイオレンスな映画だった。