ハンズ・オブ・ザ・リッパー(1971年 イギリス)
切り裂きジャックに娘がいたら…というトンデモ設定ですが、意外にまともなホラー映画でした。オカルトを科学で解明しようとしていた古き良き時代(?)の名残も……
って、これ、私の生まれた頃の映画やん!(歳を数えないように!)19世紀末、娼婦を残忍な方法で殺し、騒がれたが結局今もって犯人がわかっていない”ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)”。そいつに妻子がいたという設定ですな。今さっき、殺してきたばっかりで「帰ってきたぞ~」って、奥さん、血まみれのダンナの手を見て「あ、あなたがあの殺人鬼だったのね~」「ちっ、バレちゃぁしょうがねぇ(←なんて台詞はない)」ジャックは幼い娘の目の前で奥さんをナイフでグッサリ。でもって娘を抱き上げて「アンナ」ってキッス! その後、ジャックがどうなったのかは描かれず(投げっぱなし?)十数年経ち……
アンナはインチキ霊媒師のババアに引き取られ、交霊の手伝いをさせられておりました。交霊会を依頼したご夫婦は娘を亡くした気の毒な方なんですが、同席していた議員のダイサートや精神分析に入れ込んでいるプリチャード医師と結婚間近の息子マイケルもいる。プリチャードはさっそく霊媒師のインチキを見抜き、カーテンの陰に隠れていたアンナを見つける。
気の毒なアンナはババアがダイサートにお金をもらって、花の操(古っ)を奪われそうに。ダイサートが贈った宝石が暖炉の灯りにきらめき、頬にキスされた瞬間、アンナの幼い記憶がよみがえり……ダイサートの目の前でアンナはババアを殺したのであります。思うところがあったのか、外から霊媒師の家を眺めていたプリチャードは異常事態に気づき、家に入ろうとすると、出てきたダイサートとすれ違います。プリチャードがダイサートのことを伏せたため、警察も犯人不祥ということで、事情聴取は終わり、留置されていたアンナをプリチャードは家に引き取ることに。後にダイサートを家に呼び、アンナがババアを殺したと言う彼に精神論をぶちかまし、半ば脅すようにアンナの出自を調べてくれと命令。
一方、マイケルの婚約者で盲目の娘ローラが結婚式のため、到着。ローラを歓迎する晩餐会の店に姿を現さないアンナを心配してプリチャードが家へ戻ってみると……階上で血まみれの手で呆然と立ち尽くす彼女がいた…
(以下なるべく短くネタバレ)
まあ、要はアンナは過去のトラウマが原因で特定の状況(何かが光って目を刺激する、頬にキスされる)に陥ると、殺人を犯してしまうのでした。一方で、それを目の前で見ていたダイサートは「手が化物みたいになったから、霊にとり憑かれてやっていることだ」と霊の存在を主張。プリチャードは「人はなぜ人を殺すのか」という究極の問題をアンナを観察することで解明できるのではないかと本気で考えていて、霊の存在は真っ向から否定している。もう何人も人を殺してしまったアンナを庇い続けるプリチャードにダイサートが呆れ、これから警察に向かうと出て行った直後、アンナはまたあの状態になり、プリチャードのわき腹に長剣をグサリ。目の前でアンナの豹変した姿(?)を見たプリチャードは殺人鬼の父親の霊が彼女にとり憑いてやらせていた事実を認めざるを得ないが、時すでに遅し。
アンナは何も知らないローラと礼拝堂の頂上へ。死に体のプリチャードはあわててマイケルの元へ。途中事情を息子に告白し、ローラが危険だと礼拝堂へ。階段を駆け上がるマイケル。吹き抜けになっている礼拝堂。ローラと遊んでいるうちに危険な状態になるアンナ。必死でプリチャードに助けを求めるが、ローラの首に手をかけてしまう。そこへ下からプリチャードの声が。「ローラ、こっちへ来い!」ローラは手すりを乗り越え、はるか下のプリチャードの側へ落下。ちょうど並ぶように息絶えた二人の姿でエンドクレジットです。
ごめん、短くと言いつつ長くなりました。殺害場面も昔の映画なんで、血は嘘っぽいし、痛そうじゃないしで、あんまり見どころはないです(オイオイ)。でも同じ年代でもジャーロは面白いのになぁ。これを見るんだったら…
や
を是非! オシャレでグロで、面白いです(話はちゃんとしてないが)。