エルム街の悪夢シリーズ
遅ればせながら今年もよろしくお願いします。
年末にシリーズ5作品まで一挙放送していたので見ました。メモまがいですが、一緒に振り返りませう。見たこと無いという稀有な人、こちらを読まずに本編をどうぞ!
ちなみにシリーズの生みの親ウェス・クレイヴン監督は2015年8月死去。安らかに…
「エルム街の悪夢」(1984年)
シリーズ1作目。オープニングにフレディがあの鉤爪手袋をせっせと手作りしている貴重な(?)場面があるのでお見逃しなく(笑。ヒロインは女子高生ナンシー。基礎知識:フレディー・クルーガーは子供ばかり20人を殺した殺人鬼だったが、なぜか無罪放免となったため、殺された子供の親たちエルム街の住民らにより、私刑され、焼き殺された男。ところがフレディーは子供たちの夢の中でよみがえり、彼らを次々と襲いはじめる。夢の中で襲われると、現実でも死んでしまう…というのがこのシリーズの特徴。ナンシーの友人が次々とフレディーの毒牙にかかり、最後に残ったナンシーは夢の中からフレディーを引きずり出して倒そうと試みるが……ナンシー、健闘しますが、ラストはまたもフレディーの世界に引きずり込まれているところで終わります。
ちなみにナンシーのボーイフレンドで向かいに住んでいるグレン役が、あのジョニー・デップなのは有名な話。
「エルム街の悪夢2 フレディの復讐」(1985年)
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1作目から5年後。ナンシーが住んでいた家(地下のボイラーでフレディーの遺体が焼かれた)に引っ越してきた一家の長男ジェシーが今作の主人公。男の子が襲われてもなぁ…と思って見てみると、フレディーはジェシーの肉体を乗っ取って、現世によみがえろうとする…意外と面白い展開じゃないか。部屋に残されていたナンシーの日記からフレディーの正体とかつてナンシーも戦った事実を知り、ジェシーもフレディーに身体を乗っ取られまいと必死に戦うのですが……近所に住む金持ちの美少女リサが、なぜか不思議なことにさえないジェシーをけなげに愛する乙女で、結果的に彼女によって救われる形で助かります。と思ったら、ラストは冒頭のスクールバスの悪夢でフレディーに襲われてしまうジェシー。
前作の設定を一応引き継いではいるけど、ウェス・クレイブンが関わっている感じはしない。そのためか、主役が男の子だからか、多少の違和感を感じる2作目。
「エルム街の悪夢3 惨劇の館」(1987年)
3作目。個人的にはシリーズ中一番好きな作品。1作目から5年後のエルム街…って2作目を完全無視している(笑。同時進行していた? いや、いくらフレディーでもそこまで器用ではないはず。監督は違うけど、今度は脚本・製作総指揮等ウェスが関わってます。
今作はエルム街最後の子供たちの戦い。悪夢に悩まされるクリスティン。家は裕福ですが、理解者だった父を亡くし、母は彼女の悩みを理解せず、家にいないことが多い。母親により強制的に街の精神病院に入院させられると、同じく悪夢に悩む仲間がいた。そして心理学で夢の研究をしているという研修生ナンシーがやってくる。
そう、1作目のナンシーです(同じへザー・ランゲンカンプが演じている)。今作ではナンシーと最初は懐疑的だったニール医師がタッグを組み、子供たちを救おうとする。その鍵を握っているのが、夢の中へ他人を引き込む能力を持つクリスティン。ナンシーは他の子とともにクリスティンの夢の中へ入り、みんなでフレディーと戦うのです。今までは眠ってしまうと基本的には孤独な戦いだったのが、今度は複数で対抗するわけで、面白いところ。一方、現実世界ではフレディーの遺骸をきちんと埋葬することで解決しようとするニール医師が、ナンシーの父(これも1作目と同じくジョン・サクソンが演じている)から遺骸を埋めた場所を聞き出し、埋葬しようと試みる。両側で戦わなければならない忙しいフレディーです(笑。
ちなみにシスター・ヘレナという女性が、たびたびニール医師の前に現れ、フレディーの呪われた出自を語ります。昔、修道院の一部を凶悪な精神病患者の入院棟としていたが、誤ってそこに閉じ込められてしまった哀れなシスターが、患者たちに何度もレイプされ、生まれたのがフレディーなのだった。ラスト、ニール医師はシスター・ヘレナがフレディーの母親であるアマンダ・クルーガーの亡霊だったことを知るのです。
今作でナンシー死す! 立派な戦いぶりに合掌。あのパトリシア・アークエットが演じていた絶叫少女クリスティンが次回からの主人公に?
「エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃」(1988年)
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4作目。結果的には前作の奮闘を全てなかったことにしてしまうような脚本が残念すぎる。ウェスが関わってないからかなぁ。監督がレニー・ハーリンだし…だからアクション激しかったのか。ホラー映画的にはデビーのやられ方が悲惨で見もの(大キライなゴキブリに自分が変身し、ホイホイにつかまり、フレディーにつぶされる…)。
クリスティン…少し大きくなったというのもあるが、パトリシアが演じていません(苦笑。あのナンシーのボロ屋敷が夢に登場し、不安を隠せず、前回一緒に生き残ったジョーイとローランドを夢に呼んでしまう。もうフレディーは出てこないと思っている二人は完全に迷惑顔。クリスティンは彼氏のリックとその妹アリスと仲良し。空想癖のある地味少女アリスになんとなく主役がシフトしていく感じを匂わせて、やっぱり蘇ったフレディーにクリスティンがやられてしまう(その前にジョーイたちもあっさりさっくりやられている)。友人や兄リックまでも亡くし、アリスは夢をコントロールする”ドリームマスター”の能力を使って、フレディーと対決する。
フレディーは心の鏡なるものをアリスに見せられ、自分が殺してきた子供たちに襲われるような形で消滅。子供たちが光の玉となり、空へ浮かび上がっていく。
地味少女アリスが、友人たちが死んでゆくたびに生き生きしてキレイになってくのが、違う意味で怖い。ラストは憧れてたダンを彼氏にできたし。
「エルム街の悪夢5 ザ・ドリームチャイルド」(1989年)
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5作目。こちらもウェスは関わっていませんが、基本的に3の話をなぞっており、非常に好感が持てました。悪夢の世界も不気味で面白くできてます。
前作のアリスが主人公。無事高校を卒業し、彼氏のダンから卒業旅行にパリに誘われたり…とリア充な女の子。が、アリスは夢の中でアマンダ(フレディーの母)となり、精神病院に閉じ込められて暴行される…という恐ろしい過去を追体験する。怯えてダンを呼ぶが、彼はアリスのもとへ向かう最中、フレディーに襲われ死亡。病院で気がついたアリスは妊娠していることを知らされる。どうやらフレディーは胎児の夢(1日の半分以上夢をみているらしい!)を利用して、ダンやグレタを襲ったようだ。アリスは自分の子供ヤコブがフレディーに取り込まれてしまうことを恐れ、夢の世界で再び戦う。ここからは3と似ていて、現実世界では親友イヴォンヌが精神病院へ向かい、アマンダの遺骸を捜すわけです。彼女が塔に閉じ込められていた(首を吊って自殺したとされていたけど?)アマンダを見つけたおかげか、夢世界でもアマンダが現れてフレディーを無理やりお腹に戻すような形で姿を消す。ラストは無事ヤコブを出産したアリスと、イヴォンヌ、アリスの父親が幸せピクニック…なんだけど、近くには数え歌を歌いながら縄跳び遊びをする少女たちが……。
ご存知のようにこの後もフレディはまだまだ暴れます。フレディーの娘が出てきたり(6作目)、ナンシーを演じたへザーがリアル世界(?)でフレディーと対決したり(7作目・スピンオフ作品?)、ジェイソンと対決し(8作目)、ついにはリメイクされました。リメイクはよく出来てるけど、好きかと言われると…微妙。
夢ならではの歪んだ世界、不条理な状況を面白く不気味に再現したこのシリーズ、やっぱりジェイソンより好きだわ♪