ジワジワ怖い短編小説5
前から海外怪奇(短編)小説について書きたいと思ってたので、今後も小出しで紹介する予定。私自身、今も求めているので、「こんな怖いのあるよ~」と教えてくれると嬉しいです。昔の怪奇小説って、即物的な怖さはないんですけど、その分「ジワジワ」怖い。怪異の正体についてはっきり書かれていないのが、余計に怖いと思った5作を。
①「八月の炎暑(炎天)」(1910年) W・F・ハーヴィ
ほんの10ページ位の作品。画家の主人公が、夏の午後散歩に出ると、気づけば墓石職人の家に入り込んでしまいます。その職人の顔は、さきほど主人公が書いた法廷で裁かれる罪人の顔と似ており、さらには職人が墓石に刻んでいた名が主人公と同じだった……
エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 ---憑かれた鏡 (河出文庫)
- 作者: ディケンズ,ストーカー,エドワードゴーリー,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/06/05
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②「アムンゼンの天幕」(1928年) ジョン・マーティン・リーイ
南極点を目指す探険家たちの手記形式で、怪異が語られる。 彼らはアムンゼン(はじめて南極点に到達した探検家?)のテントを発見する。不自然にふくらんだテントの中をのぞいた彼らが見たものは……
③「ハリー」(1955年) ローズマリー・ティンパリー
養女クリスの見えない友達「ハリー」。幼い子にはよくあることと思っていた主人公(母親)だったが、次第に自分にも少年の影が見えるように。主人公がクリスの過去を調べると……
④「奥の部屋」(?年) ロバート・エイクマン
少女の頃、ドールハウスを買ってもらった主人公。だが、次第に悪夢にうなされるように。その後、諸事情でドールハウスを手放してしまった。数十年後、迷い込んだ森の中でそっくりな屋敷を発見し……
- 作者: ロバートエイクマン,Robert Aickman,今本渉
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⑤「ポドロ島」(1948年) L・P・ハートリー
主人公は親友の妻と船頭と3人でポドロ島を訪れる。その無人島で飢えた猫を見つけた親友の妻は「このまま飢えさせたままなのはかえって気の毒だから、殺してしまおう」と猫を捕まえようとして、島の奥へ。島を出る時間が近づき、主人公と船頭は彼女を探しに行くが……
- 作者: レズリー・ポールズハートリー,L.P. Hartley,今本渉
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/06
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どの作品も「何か」がわかるように描かれてないため、見方を変えると、主人公たちの気が変になっただけとも言えるかもしれない…そんな話を集めてみました。