ジャック・ケッチャムの世界へようこそ
とことん嫌な読後感を味わいたい人へ…ご紹介します。覚悟はよろしいでしょうか?
なぜに今?という既読者の方にはスミマセン。個人的衝撃度でランキング。ちなみに「ケッチャムって誰?」って人はWiki等をご覧下さい。
第5位 地下室の箱(1998年)
- 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2001/05
- メディア: 文庫
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不倫の末、妊娠してしまったサラ。中絶しようと病院に車を乗りつけた直後、突然、何者かが彼女をさらいます。目覚めてみれば、どこかの家の地下室。しかも妙な箱の中に身体を入れられ…これからサラを待つ恐ろしい事態はだいたい容易に想像がつく…かと思いきや、サラを誘拐・監禁したイカれたカップルにはもっと恐ろしい目的があったのです。この作品の描写で、気持ち悪くなってしまうと…4位以上が読めません(笑。
第4位 ロード・キル(1994年)
隣人たちが気に入らないことをするとメモ帳に詳細に記していたウェイン…そんなヤバイやつが、偶然にも殺人現場を目撃してしまったら? 人を殺すのってどんな気分なんだろう? 聞いてみたい…そこで殺害犯カップルをさらって死のドライブへ…。このウェインが本当に嫌なヤツなんですが、気の毒なはずのリーとキャロルもそんなに応援できないのがスゴイ(笑。そして自暴自棄になったウェイン…容赦ない描写が続きます。
第3位 オフシーズン(1981年)
- 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2000/09
- メディア: 文庫
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簡単に言ってしまうと小説版『悪魔のいけにえ』(苦笑。都会人VS食人族。描写がとことんホラー映画で気持ち悪いけど、それ以外は他の作品よりわかりやすくていいかも。どちらが悪いとかじゃなくて、生きるか死ぬかそれだけで、すごくシンプル。見どころは都会人の誰が生き残っていくのか。一番弱いと思っていた登場人物の変化がスゴイです。ちなみに続編『襲撃者の夜』があり、どちらも映像化されてます(私は未見)。
第2位 隣の家の少女(1989年)
やっぱりこれは衝撃でしたね。主人公デイヴィッドが甘酸っぱい初恋の思い出を回想するのかと思って読んでいると…隣の家に引き取られたメグと妹のスーザンは、家主ルースに虐待を受けているのがわかってきて…ついにはメグは地下室へ閉じ込められる。
初めてでしたよ。本を読んでいて途中で投げ出したくなったの(笑。どこまでも絶望的。そしてデイヴィッドの傍観者としての立場も我々は追体験させられるのです。
こちらは実際の事件(バニシェフスキー事件)を元にしており、映像化もされてます(私は未見…というか見る気がしない…)。
第1位 オンリー・チャイルド(1995年)
- 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,有沢善樹
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1997/06
- メディア: 文庫
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『隣~』より、こちらの方が私にとっては絶望的な読後感でした。それは最後まで読んでいただければわかると思うんですが。
アーサーとリディアの夫婦。アーサーは母親から虐待を受けて育っていた。そして狡猾な性格に成長した男が大人しい女性リディアと出会った時、不幸は始まり…よくあるDV物ではあるんですけど、アーサーの魔の手が息子ロバートにまでおよんでいたのを知った時、リディアはようやく強くなります…が、しかし、しか~し! どん底まで落としてくれます(泣。
『隣の家の少女』は一時有名だったので(映画化もされた)読んだ方も多いかな? ここには入れなかったけど犬好きの人に『老人と犬』はオススメです(かなりヒサンでつらいけど、読後感は良いので)。
ホラーが好きな人でも、海外作家を読む人ってあまり会った事がなくて(個人的に)。あってもキングとかクーンツ位? しかしケッチャムを読むとキングたちの描写は慈悲溢れるものに思えてきます。ここまで書くか…という位。というか書く方向が違うのか(不条理な世界やモンスターは出てこない)。人間の暗部をこれでもかと描く。だから途中で本を投げ出したくなるのかもしれない。「ほらほら、お前らもとことん追いつめられればそうなっていくはずだ」って言われているようで…